定年後の浮気
主人は早期退職し、昔から憧れていたカフェ経営を始めることになりました。
主人が珈琲が好きで定年後はカフェを開くのが夢でしたので反対はしませんでした。
私はお菓子つくりに自信があり、ある日上手くマフィンが焼けましたので、主人のお店で出してもらおうと、その日は私もお店に入りました。
そこで常連らしきお客様が「今日はいつも入ってる女性と違うけど、どちらが奥さんだろうか」と耳を疑うような事を話してきました。
話をよく聞くと、昼間の時間帯にいつも主人と同年代の女性がお店を手伝っているらしく、そのお客さんはその女性を主人の奥さんと勘違いしていたそうです。
女性の従業員を雇っている事は初耳でした。
いつもはなんでも話す主人ですがその話は嫌な予感がしました。
主人にはそのことは追求せず、次の日、私は会社を休んでカフェの様子を外から窺うことにしました。
確かに女性が中で接客していました。
顔をよく見ると主人が退職した会社の事務員さんなのです。
女の勘ではありますが様子からして、もう男女の仲である事が窺えます。
その日の夜、主人に話をしましたが、女性は仕事を辞めて、次の仕事が見つかるまでの穴埋めに働かせてほしいと言われただけだと言います。
こんなやりとりを続けてもらちがあきません。
主人は毎日、私が仕事から帰宅した、30分後に店を閉めて帰ってきます。
主人のカフェは水曜日休みです。
私は平日の昼間は仕事をしているので今まで、主人の休みの日の行動を把握できていませんでした。
思い切って、主人の休みの日を調査依頼することにしました。
とりあえずはお休みの日の水曜のみ。
私が8時30分に出勤しますので、その後からを見て頂くことにしました。
結果は主人が9時すぎに自宅を出ると車で10分ほど離れた謎のマンションへ入って行きました。
昼過ぎにはマンションから例の元事務員と出てきて、お店で使うコーヒー豆や軽食の買い出しを済ませ、再び女性とマンションへ入り、夕方に一人で出て来たようです。
私の勘は的中し、朦朧とした意識の中で主人の元同僚へ電話をかけ事情を話しました。
元同僚の方が教えてくれたことは、10年前からご主人と事務員の不倫関係は社内でも有名だったようです。
当初、事務員は既婚者であり、不倫が開始して数年後には離婚が成立し、今のマンションへ越したようです。
主人が退職するタイミングで女性も退職し、二人でカフェを始めたと聞いて皆さん唖然となったようです。
私は10年間何も気づかず、むしろカフェ経営を応援。
主人のカフェ経営の夢はあの女性と叶える物だったことにショックです。
今回、始めは主人に不倫を追求し、シラを切られました。
証拠が撮れてホッとした面もあります。
証拠をもとに主人とは前向きな話し合いが出来ると思います。
自分ではまだ頭の中が整理できず、どうしたいかわかりません。
しかし、調査員の方が離婚する、しないにしろ今後、証拠が保険の代わりになりどんな展開になろうとも「お守り代わり」なって、話が有利に進められるでしょうと言われました。
それだけでも、調査した甲斐がありました。
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